ジャーキングなどロッドアクションを入れる前提で作られているアイテムにデビルズホースAF100(スミスウィック、※1)やウンデッドスプーク(ヘドン)、扁平タイプではヘリプス(アイマ)などが挙げられます。
デビルズホースAF100とウンデッドスプークはAPタイプのプロップ、ヘリプスも似た形状の自社製プロップを採用。いずれもやや大きめで水を受けやすくすることにより、アクション時にブレーキが掛かりやすい設定となっています。
前後同方向へ回転するプロップを装着していることから、ロッドアクションを入れた瞬間のボディのロールアクションを狙ってのデザインなのでしょう。
扁平ボディのタイプは他にスクイーキーP(PHカスタムルアーズ)やケリーJ(ラッキークラフトUSA)なども発売されています。フラッシング効果やアクション後のボディの揺れなどの効果も組み入れた面白い要素のあるルアーなのですが、残念ながら定番になり切れていないのが現状かと思います。
ポストスポーン期の使い方
ダブルプロップのスイッシャーがもっとも良く使われているのはポストスポーン期のフロリダ南部―記憶に新しいところでは今年(2023年)のバスマスターエリート・オキチョビ戦(2/16-19)でもカール・ジョカムセン選手やスコット・マーティン選手が使用していた記録が残っています。
Carl Jocumsen (6th; 75-7)
Rapala X Rap Prop
スコット・マーティン選手については自身のYouTubeチャンネルにてその模様を公開しており、試合中の映像から使い方やシチュエーションなども学べますので是非ご覧ください。
この時期のフロリダは日本に置き換えると4月中旬から6月に掛けてのスポーニングシーズンをイメージしていいかと思います。(※2)
狙っていたのは産卵直後のメス、もしくはフライガードのオスでしょう。
その他、ギルベッドを狙うバスに対して使うこともありますが、この辺りの解説はジェイコブ・ウィラー選手の映像が非常にわかりやすかったので紹介しておきます。
いずれの使い方もバンク際のピンスポットというよりはフラットエリアに点在するカバー(ガマ系の抽水植物やカナダ藻などの沈水植物)を広く探っていく使い方からわかるように、短い移動距離でアピールしつつも手早く探れるという位置付けがダブルプロップなのでしょう。
群よりは単体?
シャッドスポーンパターンではスーパースプークなどのペンシルベイトが多用されることから、ベイトフィッシュの群を追う、もしくはスクールで狩りをするバスに対してというよりは、単体で捕食、もしくはテリトリー意識の高いバスを金属音で刺激するためにダブルプロップが使用されることが多いです。(もちろんスクールを狙うのに有効なケースもありますので絶対に使わないという意味ではありません)
プロップの金属音でAnger(怒り)を引きだす――強すぎるとバスは逃げてしまい、弱すぎると怒らない。その微妙なラインを見極めて誘うのが楽しみの1つであり、アングラーの技量が問われる部分となるのです。
※1 初期のデビルズホースはシンキングであったため、厳密に言えば「ロッドアクションを入れる前提で作られた」とは言えないのですが、長年ジャーキングで使われてきていることから、この表現となっております。
※2 今年(2023年)は全国的にスポーニングが遅れており、地域(水質)によってはまだまだ続くことも予想されます。15~24℃位がラージマウスバスの産卵適正水温(参考資料:https://www.fws.gov/species/largemouth-bass-micropterus-salmoides)となりますのでフィールドの状況を見極める判断材料にしてください。
コメント