魚がルアーに喰いつく理由 part1 ~ルアーとエサの境界線~

突然ですが、エサ釣りをしたことはありますか?

ふだんルアーやフライで釣りを楽しまれている方の中には
「エサなら簡単に釣れる」
「釣れて当たり前」
とお考えの方も少なからずいらっしゃるかと思います。

しかしエサ釣りにはエサ釣りの難しさがあり、そこにサカナの反射行動的な要素や威嚇的要素を組みこんでいる釣り方も数多くあります。

ルアーとエサの境界線とは?

アユの友釣り

アユが持つテリトリー意識を利用し、侵入者(おとりアユ)を攻撃する習性を使った釣り方です。
これはエサ釣りですか?

コマセとスキンやサバ皮などを使ったサビキ釣り

寄せるためのコマセはアミエビやイワシのミンチなどですが、ハリに付いているのは魚皮(※1)や化繊などであり、サカナが自然界で喰っているモノではありません。
これはエサ釣りですか?

魚粉やエビの粉末など天然素材を練り込んだプラスチックワーム

中でも魚粉やエビの粉末は自然界でサカナが喰っている可能性の高いエサを乾燥加工したモノでもあります。
これはエサ釣りですか?

ラバージグ+ポークリンド

豚の脂身を加工したポークリンドは自然素材ですが、サカナが自然界で喰っているモノではないためサビキ釣りのスキンや魚皮と非常に似た性質とも言えます。
これはエサ釣りですか?

死んでいる小魚やエビなどをラバージグのトレーラーにした場合

生きた状態であれば、その水域で喰われているエサです。しかし、すでに死んでいる場合は自然環境下でそれをラージマウスバスやスモールマウスバスが積極的に捕食することは稀なケース(※2)です。
これはエサ釣りですか?

ワカサギが生息しない水域で生きたワカサギをハリに付けた場合(※3)

その水域のサカナが喰っているモノではありませんが、他水域ではメインベイトとなっている場合もあります。
これはエサ釣りですか?

スポーニングベッドにハリを付けたギルを誘導して威嚇攻撃させた場合

アユの友釣りと同じ原理での釣り方と言えるでしょう。
これはエサ釣りですか?

さて、みなさんの『ルアーとエサの境界線』はどこにありましたか?
そして、その境界線を『釣りをしない人』へ明確に説明することはできますでしょうか?

正直なところ、私には「すべての人が納得できる説明」はできません。

『自分の価値観』と『プライド』

私個人の価値観においては「サカナが消化して栄養にできるか否か」が1つの境界線として存在します。
しかし、この中だと『アユの友釣り』や『サビキ釣り』などで矛盾が生じます。
『天然素材を練り込んだワーム』がエサかと問われればルアーだと答えるでしょうが、天然素材部分は消化可能なエサです。

たとえばトーナメントにおいては境界線があやふやなままでは競技として成立しなくなりますし、管理釣り場などではルールとして明文化する必要もあります。
しかし、ことレジャーとしての釣りであれば「自分の価値観で釣りをすればいい」というのが私の考え方です。

その境界線をエサ釣りギリギリに引くのも自由ですし、往年のトッパーたちのように「水面から少しでも潜ったらトップではない」というプライドを持って自分の使うルアーを線引きしてもいいと思います。

結論として、ルアーとエサの境界線など論ずる意味はないというのが私個人の考え方です。
その境界線は『自分の価値観』であり『プライド』であると考えているから。

私自身はルールの隙間や境界のギリギリとなるモノを使ってまで釣りたいとは思いません。
しかし初心者や初級者が最初の1匹を釣るために、釣れないまま1日を終えそうな時に、そのようなルアー(もしくはエサ)を使うことについては、むしろ推奨する気持ちすらあります。

釣りには熟練度によっての楽しみ方があり、自分が楽しいと思える釣り方も人それぞれ無限にあるのだから。

釣りをする理由

いまの私にとって、釣りの最終目的はサカナを釣ることではありません。
ましてや釣果をSNSなどにあげて承認欲求を満たすことでもありません。

その目的は、釣りという遊びを通して満足感や充足感を得ることです。
このために必要なこととは何なのかと改めて考えたとき、1つの解にたどり着きました。

それこそが『自分の価値観にプライドを持つ』ことに他なりません。

この価値観を共有できる仲間との遊び場として…
自分で考えて釣るための参考書として…
楽しさを分かち合うための場所として…

Back BOSSの世界へようこそ!


※1 魚皮についてはターゲットにより実際の捕食対象の皮となる場合もありますが、あくまでもイメージとして捉えてください。

※2 低水温期でエサの少ない水域でにおいて『瀕死のワカサギを喰う行動』が見られますが、力のある健全な状態においてバスは産卵前の栄養価が高いワカサギを捕食し、それで満たされなかった個体(もしくは喰いきれない不健全な状態のバスなど)が喰うのが瀕死のワカサギとなります。

※3 当然のことながら生体移動などの倫理についての話ではありません。


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